確認日:2026年10月8日 / 対象:個人事業主・フリーランス 制度は改正によって変わることがあります。手続きや判断の前に、必ず国税庁の公式ページで最新の内容を確認してください。この記事は税務相談ではありません。登録するかどうかは、ご自身の状況に合わせて、税務署や税理士にご相談ください。
インボイス制度が始まってから、「経過措置」が何度も出てきて、結局いつまで何が使えるのか分かりにくくなっています。
この記事では、国税庁の案内をもとに、個人事業主に関係する経過措置の「いつ・何が変わるか」を表にして整理します。登録すべきかどうかは断定しません。判断の材料と、確認先をお伝えします。
この記事でわかること
- 2割特例、3割特例、仕入税額控除の経過措置の違い
- いつ何が変わるか(前→後)
- 自分がどの話に関係するか
結論:関係する経過措置は、大きく3つ
| 経過措置 | 関係する人 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 2割特例 | インボイスを機に免税事業者から登録した課税事業者 | 納める消費税を、売上税額の2割にできる | 令和5年10月1日〜令和8年9月30日までの日の属する課税期間 |
| 3割特例(新) | 同上のうち小規模な個人事業者 | 納める消費税を、売上税額の3割にできる | 令和9年・令和10年の課税期間 |
| 仕入税額控除の経過措置 | 免税事業者などから仕入れ(外注費など)をする人 | 払った消費税の一部(80%→7・5・3割)を、仕入税額として控除できる | 令和5年10月1日〜令和13年9月30日 |
(出典:国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」)
① 2割特例:令和8年で終わる
免税事業者が、インボイス制度を機に適格請求書発行事業者の登録を受けて課税事業者になった場合、納付する消費税を売上税額の2割にできる特例です。
- 期間は、「令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間」です。
- 個人事業主の課税期間は、通常1月1日〜12月31日(暦年)です。国税庁の令和8年度税制改正の資料では、個人事業者は令和8年分まで2割特例、令和9年分・令和10年分は3割特例という図で示されています。
- 令和9年分以降は、2割特例は使えません(3割特例の対象になる場合を除く)。
(出典:国税庁「令和8年度税制改正特集」)
② 3割特例:令和9年・10年は、小規模な個人事業者に限り使える
令和8年度の改正で、2割特例が終わった後も、小規模な個人事業者に限り、納める消費税を売上税額の3割にできる経過措置が設けられました。
- 対象の期間は、令和9年および令和10年の課税期間です。
- 対象は「個人事業者」です。法人は含まれません。
- 納付税額は、売上税額(課税標準額に対する消費税額)の3割になります。
- 2割特例と同様に、免税事業者がインボイスの登録をしたこと(または課税事業者選択届出書を提出したこと)で、免税事業者でいられなくなった課税期間に限り適用できます。もともと課税事業者だった人は対象になりません。
- 適用を受けるときは、確定申告書に、その旨を付記する必要があります。
- 2割特例・3割特例を使った人は、その翌課税期間の確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を出せば、翌課税期間から簡易課税制度を使える、という見直しもあります(令和8年10月1日以後に終了する課税期間が対象)。
- 細かい要件は、国税庁の「令和8年度税制改正特集」で、必ず確認してください。
(出典:国税庁「令和8年度税制改正特集 3割特例」)
③ 仕入税額控除の経過措置:「80%」から「7・5・3割」へ
あなたの取引先が免税事業者(または登録していない事業者)だと、その取引先に払った消費税分は、原則として仕入税額として控除できません。ただし、移行期間として、一定の割合を控除できる経過措置があります。
- 国税庁の案内では、令和5年10月1日から令和13年9月30日までの期間、仕入税額相当額の一定割合(80%、7・5・3割)を控除できる、とされています。
- 国税庁のQ&A(令和8年4月改訂)では、割合と期間が次のように示されています。
- 令和5年10月1日〜令和8年9月30日:80%
- 令和8年10月1日〜令和10年9月30日:70%
- 令和10年10月1日〜令和12年9月30日:50%
- 令和12年10月1日〜令和13年9月30日:30%
- 令和13年10月1日以降:控除できなくなる
- 大口の仕入れには上限があります。令和8年10月1日以後に開始する課税期間は、一の免税事業者等からの課税仕入れの合計額が税込1億円を超える場合、超えた部分には、この経過措置は使えません(令和8年9月30日までの間に開始する課税期間は税込10億円)。
- この経過措置を使うには、帳簿に「80%控除対象」「免」などの記載が必要です(国税庁のQ&A)。
(出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問113【令和8年4月改訂】)
④ 登録の時期に関する経過措置
免税事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間中に登録を受けた場合は、登録を受けた日から適格請求書発行事業者になれる経過措置があります。
注意:登録を受けると、課税売上高が小さくても、消費税の納税義務は免除されなくなります(国税庁の案内)。
自分はどれに関係する?(判断の材料)
| 状況 | 関係しやすい内容 |
|---|---|
| すでに登録して、2割特例を使っている | 令和8年分まで2割特例。令和9年分からは、3割特例の対象になるか確認 |
| 免税事業者で、登録していない | 登録するかどうかの判断。取引先が課税事業者か、消費者かで影響が変わる |
| 外注先が免税事業者(自分が発注側) | 仕入税額控除の7・5・3割の段階が関係 |
登録を考えるときの材料
- 取引先は誰か:取引先が課税事業者で、インボイスを求められるか。取引先が消費者や免税事業者中心なら、影響は小さい場合があります。
- 登録した場合の負担:消費税の納税が必要になる。経過措置の期間は、負担を抑えられる場合がある。
- 登録しない場合の影響:取引先から、値下げや取引条件の見直しを求められる可能性がある。
どれが有利かは、売上の規模、取引先の構成、経費の額で変わります。断定はできませんので、数字で試算して、税務署や税理士に確認してください。
書類・手続きのメモ
- 登録の申請は、e-Tax(オンライン)でできます。マイナンバーカードなどの事前準備が必要です。
- 登録番号は、「T+13桁の数字」(法人番号がない場合)です。
- 登録した事業者は、取引先の求めに応じて、適格請求書を交付する義務があります(取引先が課税事業者の場合)。
まとめ
- 2割特例は、令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了(個人は令和8年分まで見込み)
- 3割特例は、令和9年・10年の課税期間、小規模な個人事業者が対象
- 仕入税額控除の経過措置は、令和13年9月30日まで、80%から7・5・3割へ段階的に下がる
- 登録するかどうかは、取引先と数字で判断する。迷ったら、税務署や税理士へ
- 確認日と公式リンクを必ず確認する
よくある質問
- 2割特例は、いつまで使えますか?
- 国税庁の案内では、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間です。国税庁の資料の図では、個人事業者は令和8年分まで2割特例の対象です。
- 3割特例は、誰が使えますか?
- 免税事業者がインボイスの登録をしたこと(または課税事業者選択届出書を提出したこと)で、免税事業者でいられなくなった個人事業者で、令和9年分・令和10年分が対象です。法人は含まれません。確定申告書に付記が必要です。
- 取引先が免税事業者の場合、どうなりますか?
- 仕入税額控除の経過措置が関係します。令和13年9月30日まで、一定割合(令和8年10月から70%、その後50%、30%)を控除できます(国税庁のQ&A)。
- 登録しないとどうなりますか?
- 適格請求書を発行できません。取引先への影響は状況によって異なるため、売上と取引先の構成を整理して、税務署や税理士に確認してください。
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この記事の確認方法
- 国税庁のタックスアンサーNo.6498、「令和8年度税制改正特集」、Q&A問113(令和8年4月改訂)を確認しました。
- 2割特例、3割特例、仕入税額控除の経過措置(80%→70%→50%→30%)の期間と割合は、国税庁の資料の記載どおりです。
- 登録するかどうかの判断は、取引先や売上によって変わるため、断定していません。
- 確認日:2026年10月8日。
最終更新日:2026年10月8日

