基礎控除が変わった|令和7年分・8年分の金額と個人事業主への影響

基礎控除が変わった(令和7年分・8年分の金額と個人事業主への影響) 変わったこと

確認日:2026年10月9日 / 対象:所得税の確定申告をする個人事業主・フリーランス(令和8年分=2027年に行う申告から) 制度は改正によって変わることがあります。申告の前に、必ず国税庁の最新の案内を確認してください。この記事は税務相談ではありません。個別の判断は、税務署・税理士にご相談ください。

所得税の基礎控除は、長く48万円でした。それが、令和7年分から引き上げられ、さらに令和8年分・9年分は、もう一段、大きくなります。ただし、令和10年分からは、金額の決め方が変わります。

個人事業主は年末調整がないので、確定申告で自分で反映することになります。この記事では、金額の表と、自分の場合の見つけ方、税金がどれくらい変わるか、家族の扶養への影響を整理しました。

この記事の読み方

  • この記事は、国の所得税の話です。全国共通で、自治体による違いはありません。
  • 住民税と国民健康保険税は、別の仕組みです。「変わらないもの」の節で整理しています。
  • 「〇年分」は、その年の1月〜12月の所得のことです。令和8年分は、2027年の春に申告します。

この記事でわかること

  • 基礎控除の金額(令和6年分以前→令和7年分→令和8・9年分→令和10年分以後)
  • 自分の合計所得金額の見つけ方と、自分の控除額
  • 税金がどれくらい軽くなるか(仮の例)
  • 扶養・配偶者控除の所得要件と、特定親族特別控除
  • 変わらないもの(住民税・国保税など)

結論:令和8・9年分は、多くの人で基礎控除が大きくなる。令和10年分からは、金額が下がる予定

基礎控除の金額(合計所得金額別)所得税の基礎控除は、合計所得金額に応じて決まる。令和7年分は95万円から58万円。令和8年分・9年分は、合計所得金額489万円以下が104万円、489万円超655万円以下が67万円、655万円超2,350万円以下が62万円。令和10年分以後は、132万円以下が99万円、それより上は62万円。基礎控除(合計所得金額別)合計所得金額 132万円以下令和7年95万円令和8・9年104万円令和10年〜99万円合計所得金額 132万円超〜336万円令和7年88万円令和8・9年104万円令和10年〜62万円合計所得金額 336万円超〜489万円令和7年68万円令和8・9年104万円令和10年〜62万円合計所得金額 489万円超〜655万円令和7年63万円令和8・9年67万円令和10年〜62万円合計所得金額 655万円超〜2,350万円令和7年58万円令和8・9年62万円令和10年〜62万円※令和8・9年分の上乗せは、2年限り※2,350万円超は、改正なし
基礎控除の金額(合計所得金額別)
  • 令和7年分:合計所得金額に応じて、58万円〜95万円になりました(改正前は一律48万円)。
  • 令和8年分・9年分:本則が62万円に上がり、合計所得金額に応じた上乗せもあります。489万円以下は104万円、489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です。
  • 令和10年分以後:上乗せが縮まり、132万円以下は99万円、それより上は62万円になる予定です(財務省の大綱の内容)。
  • 合計所得金額が2,350万円を超える人は、今回の見直しの対象外です(48万円・32万円・16万円・0円の区分のまま)。
  • 事業所得が中心の人は、確定申告書に書く所得金額が、金額を決める目安になります。

基礎控除の金額(合計所得金額別)

基礎控除は、本人の合計所得金額に応じて決まります。国税庁のタックスアンサーNo.1199と、令和8年4月の「源泉所得税の改正のあらまし」に載っている金額です。

本人の合計所得金額 令和6年分以前 令和7年分 令和8年分・9年分 令和10年分以後
132万円以下 48万円 95万円 104万円 99万円
132万円超 336万円以下 48万円 88万円 104万円 62万円
336万円超 489万円以下 48万円 68万円 104万円 62万円
489万円超 655万円以下 48万円 63万円 67万円 62万円
655万円超 2,350万円以下 48万円 58万円 62万円 62万円
2,350万円超 2,400万円以下 48万円 48万円 48万円 48万円
2,400万円超 2,450万円以下 32万円 32万円 32万円 32万円
2,450万円超 2,500万円以下 16万円 16万円 16万円 16万円
2,500万円超 0円 0円 0円 0円
  • 令和8年度の改正で、物価の上昇に合わせて、基礎控除の本則が58万円から62万円に引き上げられました。
  • 令和8・9年分と令和10年分以後の上乗せ(特例の加算)は、租税特別措置法の特例です。令和8・9年分は、合計所得金額が489万円以下で42万円、489万円超で5万円、令和10年分以後は、132万円以下で37万円です(財務省の大綱の概要)。
  • 上乗せの加算は、居住者にだけ適用されます(国税庁の注記)。
  • 令和7年分の申告は、すでに終わっています(申告期限は2026年3月)。これから申告するのは、令和8年分(2027年春)です。

自分の「合計所得金額」の見つけ方

基礎控除は、合計所得金額で金額が決まります。事業所得が中心の人は、次のように考えると、おおよその目安がつきます。

  1. 事業所得の金額を出す(収入 − 必要経費 − 青色申告特別控除)。確定申告書の「所得金額」の欄に載る金額です。
  2. 給与や不動産などのほかの所得があれば、足す。
  3. その合計が、合計所得金額の目安です。
  • 青色申告特別控除を引いたあとの所得で、金額の区分を見ます。
  • 損失の繰越控除や譲渡所得など、特別な事情がある場合は、金額の見方が変わることがあります。国税庁の案内か、税務署で確認してください。
  • 自分の所得金額が分かる前でも、前年の申告書の所得金額を見れば、おおよその区分が分かります。

税金は、どれくらい軽くなる?

基礎控除が大きくなると、課税される所得金額が減り、所得税が軽くなります。軽くなる額は、増えた控除額 × 自分の所得税率です。

  • 令和7年分から令和8年分で控除が増える額は、区分ごとに違います(例:合計所得金額が336万円超489万円以下なら、68万円→104万円で36万円増える)。
  • 所得税の税率は、課税される所得金額が195万円以下は5%、195万円超330万円以下は10%、330万円超695万円以下は20%…と、段階的です(国税庁 No.2260)。

ケースで確認(仮の例)

※この節は、実在の人物の体験談ではありません。仕組みを分かりやすく説明するための仮の例です。数字は、国税庁の速算表(令和8年4月1日現在法令等)と、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)で計算しました。基礎控除以外の控除は、仮の金額です。実際の金額は、人によって違います。

例①:Aさんは、合計所得金額が300万円(基礎控除以外の控除の合計が80万円)

  • 令和7年分:基礎控除 88万円 → 課税される所得金額 300万 − 80万 − 88万 = 132万円 → 所得税 66,000円(復興特別所得税を含めて67,386円)
  • 令和8年分:基礎控除 104万円 → 課税される所得金額 116万円 → 所得税 58,000円(復興特別所得税を含めて59,218円)
  • 差:約8,168円軽くなる(控除が16万円増え、税率5%)

例②:Bさんは、合計所得金額が400万円(基礎控除以外の控除の合計が80万円)

  • 令和7年分:基礎控除 68万円 → 課税される所得金額 252万円 → 所得税 154,500円(復興特別所得税を含めて157,744円)
  • 令和8年分:基礎控除 104万円 → 課税される所得金額 216万円 → 所得税 118,500円(復興特別所得税を含めて120,988円)
  • 差:約36,756円軽くなる(控除が36万円増え、税率10%)

例③:Cさんは、合計所得金額が500万円(基礎控除以外の控除の合計が100万円)

  • 令和7年分:基礎控除 63万円 → 課税される所得金額 337万円 → 所得税 246,500円(復興特別所得税を含めて251,676円)
  • 令和8年分:基礎控除 67万円 → 課税される所得金額 333万円 → 所得税 238,500円(復興特別所得税を含めて243,508円)
  • 差:約8,168円軽くなる(控除が4万円増え、税率20%)
  • どの例も、住民税や国保税は含みません(次の節)。所得税(復興特別所得税を含む)の差だけです。
  • 自分の数字で試すときは、トリモドシ診断が使えます(小規模企業共済や医療費控除の診断は、課税される所得金額を入れます)。

家族の扶養に関わる所得要件も変わった

基礎控除が上がったので、扶養控除などの対象になる家族の所得要件も変わりました(令和8年分、国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」)。

令和7年分 令和8年分
扶養親族・同一生計配偶者・ひとり親の生計を一にする子 合計所得金額 58万円以下 合計所得金額 62万円以下
特定親族(19歳以上23歳未満) 58万円超 123万円以下 62万円超 123万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者 58万円超 133万円以下 62万円超 133万円以下
勤労学生 85万円以下 89万円以下
  • 家族が給与だけの収入なら、扶養などの所得要件(62万円以下)は、収入136万円以下にあたります(令和8・9年分。給与所得控除の最低保障額が74万円のため)。
  • 特定親族特別控除は、令和7年度の改正で新しくできた控除です。生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が一定の範囲にある人が対象です。最高63万円を、合計所得金額に応じて段階的に控除します(令和7年度の改正内容。令和8年分の段階ごとの金額は、国税庁の案内で確認してください)。
  • 青色事業専従者として給与を受ける人と、白色事業専従者は、特定親族の対象から除かれます(国税庁)。家族に専従者給与を払っている場合は、扶養控除の扱いも含めて、税務署か税理士に確認してください。
  • 家内労働者などの必要経費の最低保障額も、65万円から69万円に引き上げられました。

変わらないもの(住民税・国保税など)

  • 個人住民税の基礎控除:総務省の資料では、令和8年度の改正で、個人住民税は給与所得控除の見直しで対応するとされ、基礎控除の引き上げは載っていません(最高43万円のまま)。住民税の特例の細かい点は、お住まいの市区町村で確認してください。
  • 国民健康保険税の所得割:福山市の条例では、所得から43万円を引いて税率をかけます。今回の所得税の見直しは、この計算には影響しません(国保税の軽減・減免、診断)。
  • 予定納税:基礎控除の見直しは、予定納税額の計算には反映されません。確定申告のときに考慮され、最終的な年間の税額で精算されます(年間カレンダー)。
  • 青色申告特別控除(65万円・55万円・10万円)は、別の控除で、今回の見直しの対象ではありません。

手続きのポイント(個人事業主)

  • 会社員のような年末調整は、ありません。確定申告で、基礎控除の欄に、自分の合計所得金額に応じた金額を入れます(確定申告の流れ)。
  • 金額は、令和7年分と令和8年分で違います。申告の対象の年(令和8年分なら、2026年の所得)に合った金額を使ってください。
  • 申告書の様式や作成コーナーの案内は、2027年1月ごろに公開される令和8年分の確定申告特集で、確認してください。

手続きの前に確認すること

  • 申告する年分(令和8年分=2026年の所得)を、確かめた
  • 自分の合計所得金額の目安を、出した(青色申告特別控除を引いたあとの所得)
  • 目安の金額が、表のどの区分にあたるか、確かめた
  • 扶養・配偶者控除を使う家族の合計所得金額が、新しい要件(62万円以下など)にあたるか、確かめた
  • 専従者給与を払っている家族は、扶養の対象外になる点を、確かめた
  • 令和8年分の確定申告特集(2027年1月ごろ)で、最新の案内を確認する予定を入れた

よくある質問

いつの申告から、金額が変わりますか?
令和7年分(2026年春の申告)から、金額が変わりました。令和8年分(2027年春の申告)は、さらに上がります(国税庁・財務省の公式情報)。
令和7年分の申告で、古い48万円で計算してしまったかもしれません。
令和7年分の申告書に書く金額は、令和7年分の表(95万円〜58万円)です。古い金額を使ってしまった場合の手続き(更正の請求など)は、この記事では確認できていません。最寄りの税務署に確認してください。
令和10年分からは、どうなりますか?
令和8年度の改正で、令和10年分以後は、合計所得金額132万円以下が99万円、それより上は62万円とされています。今後の税制改正で、変わる可能性があります。
基礎控除は、いくらを引けばいいですか?
令和8年分の場合、合計所得金額が489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円です。2,350万円を超える場合は、表(48万円・32万円・16万円・0円)で確認してください。
住民税や国保税も軽くなりますか?
今回の所得税の見直しは、住民税の基礎控除(最高43万円)や、福山市の国保税の計算(所得から43万円を引く)には、反映されません。
家族を扶養に入れられるかは、どう判断しますか?
家族の合計所得金額が、令和8年分は62万円以下(扶養親族・同一生計配偶者)が目安です。給与だけの場合は、収入136万円以下にあたります。専従者給与を払っている家族は、対象外になることがあります。税務署か税理士に確認してください。

あわせて読みたい

この記事の確認方法

  • 国税庁の「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」の原文で、令和7年分の金額、扶養親族等の所得要件、特定親族特別控除、給与所得控除の見直しを確認しました。
  • 国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)の原文で、令和8年度の改正(基礎控除62万円、令和8・9年分の加算、令和10年分以後の金額、扶養親族等の所得要件、給与所得控除の最低保障額、家内労働者等の最低保障額)を確認しました。
  • 国税庁のタックスアンサーNo.1199「基礎控除」(令和8年4月1日現在法令等)と、財務省の「令和8年度税制改正の大綱の概要」で、金額と加算額を突き合わせました。
  • 総務省の資料「個人住民税の基礎控除等について」(令和8年5月29日)で、令和8年度の改正で個人住民税は給与所得控除の見直しで対応するとされていることを確認しました。
  • 計算例は、国税庁のタックスアンサーNo.2260の速算表と復興特別所得税(2.1%)で、検算しました。
  • 特定親族特別控除の令和8年分の段階ごとの金額、確定申告書(作成コーナー)の入力方法、令和7年分の申告を直す手続き、令和10年分以後の控除額(今後の改正)は、確認できていません。
  • 確認日:2026年10月9日。

最終更新日:2026年10月9日

公式リンク(確認日:2026年10月9日)