国保税が高い・払えないとき|軽減・減免の種類と申請

国保税が高い・払えないときの軽減と減免 もらえるもの

確認日:2026年10月8日 / 対象:国民健康保険に入っている個人事業主・フリーランス 制度は改正によって変わることがあります。手続きの前に、必ず自分の市区町村の公式ページで最新の内容を確認してください。この記事は個別の相談ではありません。

個人事業主・フリーランスは、国民健康保険(国保)に入ります。国保の保険料は、自治体によって国民健康保険「税」と呼ばれ(福山市は「税」)、前年の所得をもとに決まります。収入が減った年や、事業を始めたばかりの年は、負担が重く感じることもあります。

国保税には、所得が低い世帯の軽減や、状況に応じた減額・減免の制度があります。この記事では、制度の種類と、手続きの進め方を、福山市(広島県)の例と公式資料で整理します。

この記事の読み方

  • ここでは、福山市(広島県)を例に説明します。自治体の例は、福山市の公式ページと条例にもとづきます。
  • 国の制度(全国共通)と、自治体ごとに異なる内容を分けて書いています。
  • 国の制度は、厚生労働省の資料にもとづきます。自治体の運用・窓口・条件は、福山市の例です。ほかの市区町村は、自分の自治体のページで確認してください。

この記事でわかること

  • 国保税の計算の仕組みと、所得の申告が大切な理由
  • 自動で適用される軽減(7割・5割・2割)
  • 届出・申告で適用される減額(産前産後、未就学児、失業)
  • 申請して受ける減免(災害、事業の休廃止、失業、入院など)

結論:「申告」と「窓口への相談」が先。軽減・減免は種類が3つある

国保税の負担を軽くする制度は、大きく3つに分けられます。

種類 手続き 主な内容
①所得に応じた軽減(7割・5割・2割) 所得の申告があれば、自治体が判定(原則) 世帯の所得が低いとき、均等割・平等割が減る
②届出・申告による減額 届出・申告が必要 産前産後、未就学児の均等割、非自発的失業者
③申請減免 申請が必要 災害、事業の休廃止、失業、長期入院など
国保税の軽減・減免の3つの種類所得に応じた軽減は7割・5割・2割で、申告があれば自治体が判定する。産前産後・未就学児・失業は届出や申告で減額される。災害・事業の休廃止・失業・長期入院などは、申請して減免を受ける。国保税の軽減・減免① 所得に応じた軽減7割・5割・2割(均等割・平等割)申告があれば、自治体が判定② 届出・申告による減額産前産後 / 未就学児非自発的失業者届出・申告が必要③ 申請減免災害 / 事業の休廃止失業 / 3か月以上の入院申請が必要 → まず窓口に相談※福山市の例。自治体で異なります
国保税の軽減・減免の3つの種類

(出典:福山市「国民健康保険税について」、厚生労働省「令和8年度 税制改正の概要」)

国保税の仕組み(福山市の例)

福山市の案内によると、国保税は次のように決まります。

  • 保険税は、医療分・支援分・介護分(介護分は40歳以上65歳未満の人だけ)からなります。
  • それぞれが、所得割・均等割・平等割の合計で計算されます。
    • 所得割:世帯の(国保加入者の)所得に応じて計算
    • 均等割:国保に加入している1人あたり
    • 平等割:1世帯あたり
  • 所得割の計算は、「(所得 − 基礎控除)× 税率」です(福山市の案内。基礎控除は、合計所得金額が2,400万円以下なら43万円)。
  • 2026年度(令和8年度)から、国保税に「子ども・子育て支援金分(子ども分)」が新たに加わりました(福山市の案内)。
  • 福山市の条例(令和8年度分から適用)にある、令和8年度の税率と限度額は、次のとおりです。
区分 医療分 支援分 介護分(40〜64歳のみ) 子ども分
所得割(所得に応じて) 8.99% 3.15% 2.79% 0.29%
均等割(1人あたり) 29,520円 10,680円 9,960円 1,262円(18歳以上は、さらに79円)
平等割(1世帯あたり) 19,680円 6,480円 4,800円 802円
課税限度額(1世帯) 67万円 26万円 17万円 3万円

※特定世帯・特定継続世帯は、平等割が異なります。実際の税額は、7月に届く納税通知書で確認できます。

  • 保険税は、前年の所得にもとづいて、年度ごと・世帯ごとに決まります。納める義務があるのは、住民票の世帯主です。
  • 納期は年8回です。福山市の条例では、7月から翌年2月まで、毎月(7月は16日〜31日など、各月の16日から月末まで)が納期です。実際の納期限は、納税通知書で確認してください。
  • 支払った保険税の全額が、所得税・住民税の申告で、社会保険料控除の対象になります。

(出典:福山市「国民健康保険税について」、福山市「福山市の国民健康保険」)

まず大事なこと:所得の「申告」をする

福山市の案内には、次のように書かれています。

  • 前年の所得がない、前年の所得が分からないなどを理由に、申告をしていない場合は、保険税の軽減が受けられないなど、不利になることがあります。
  • 所得税の確定申告をしている人は、市への別の申告は、原則いりません。

個人事業主は、確定申告をきちんとしておくことが、軽減の判定の土台になります。年間の確定申告については、個人事業主の年間やることカレンダーで整理しています。

① 所得に応じた軽減(7割・5割・2割)

世帯の所得が一定以下の場合、均等割・平等割(応益分)が、7割・5割・2割軽減されます。厚生労働省の「令和8年度 税制改正の概要」では、軽減の判定に使う所得の基準が、次のとおり示されています。

軽減割合 判定の式(令和8年度の税制改正の概要)
7割軽減 基礎控除額(43万円)
5割軽減 基礎控除額(43万円) + 31万円 × 被保険者数(現行は30.5万円)
2割軽減 基礎控除額(43万円) + 57万円 × 被保険者数(現行は56万円)
  • 被保険者数には、同じ世帯で、国保から後期高齢者医療に移った人も含まれます。
  • 給与・年金所得をもつ人が2人以上いる世帯は、さらに「10万円 ×(その人数 − 1)」を加えることになっています。
  • 5割・2割の金額は、令和8年度の改正で引き上げられました(厚生労働省の資料)。福山市の条例(令和8年度分から適用)にも、5割軽減=31万円×人数、2割軽減=57万円×人数と書かれています。
  • 軽減の判定に使う「所得」は、福山市の条例では、地方税法第703条の5に規定する「総所得金額及び山林所得金額の合算額」(世帯主と、国保の被保険者などの分の合計)とされています。事業所得は、収入から必要経費などを引いたあとの所得金額です。
  • 「給与所得者等の数」は、給与所得があり給与等の収入が55万円を超える人と、公的年金等の所得があり収入が一定額(65歳未満は60万円、65歳以上は110万円)を超える人の合計です(条例)。
  • 判定に使う被保険者の数には、国保から後期高齢者医療に移った人(特定同一世帯所属者)も含まれます。細かい算定は、市の窓口で確認してください。

世帯の被保険者数ごとの目安(給与・年金所得をもつ人が1人以下の場合)

上の式をあてはめた、判定の目安です。

世帯の被保険者数 7割軽減 5割軽減 2割軽減
1人 43万円以下 74万円以下 100万円以下
2人 43万円以下 105万円以下 157万円以下
3人 43万円以下 136万円以下 214万円以下

(5割:43万円 + 31万円 × 人数 / 2割:43万円 + 57万円 × 人数。いずれも判定の目安です)

(出典:厚生労働省「令和8年度 税制改正の概要(厚生労働省関係)」)

② 届出・申告による減額

産前産後の減額

出産する国保の被保険者は、産前産後の期間の所得割額・均等割額が減額されます(福山市の例。2023年11月1日以降の出産が対象)。くわしくは、産前産後の国民年金保険料免除の記事で整理しています。

未就学児の均等割の軽減

福山市の案内では、未就学児の均等割額が、軽減されます(5割軽減)。

今後の変更:2026年6月に公布された「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)」で、国保の子どもの均等割の5割軽減の対象が、未就学児から高校生年代まで拡充されます(厚生労働省の資料。施行は原則令和9年(2027年)4月1日)。福山市での具体的な運用は、市の案内で確認してください。

非自発的失業者の軽減

倒産・解雇・雇い止めなどで離職した人(離職時65歳未満で、指定された失業の理由に当てはまる人)は、申告により、前年の給与所得を30%とみなして保険税を計算します。軽減される期間は、離職の翌日から、翌年度末までです(福山市の例)。会社を辞めて開業した場合でも、離職の理由によっては対象になることがあります。対象かどうかは、雇用保険の離職票などの書類で、市に確認してください。

(出典:福山市「国民健康保険税について」、福山市「倒産・解雇・雇い止めなどにより離職された人へ」)

③ 申請して受ける減免(福山市の例)

福山市の案内には、災害などにより損害を受けた場合や、事業の休廃止、失業、長期入院などをした場合に、保険税を減免する制度があると書かれています。主な対象と、市のページに書かれている条件は、次のとおりです。

対象 市のページに書かれている条件
災害で、住居や家財に損害を受けた 損害割合が30%以上で、前年中の所得が1,000万円以下の世帯
リストラ・倒産などによる失業 下の共通の条件(前年所得500万円以下 など)。65歳未満で雇用保険を受給する人は、前の節の「非自発的失業者の軽減」が優先される
事業の休止・廃止 下の共通の条件
継続して3か月以上の入院 下の共通の条件
  • 失業・事業の休廃止・3か月以上の入院の共通の条件:前年中の所得が500万円以下の世帯で、保険税の滞納がないこと、所得の申告がされていること、届出義務に違反していないことなど。
  • そのほか、福山市のページには、保険税の軽減世帯で未就学児を除く18歳以下の子がいるとき、出産予定・出産した人(詳しくは前の節と、産前産後の記事)、生活保護を受けることになったときなどの項目があります。
  • 上の内容は、福山市の「国民健康保険税について」(2025年7月2日更新)にもとづきます。条件は変わることがあるため、申請の前に、最新の内容を市に確認してください。

減額の割合、申請に必要な書類、申請の期限は、福山市の公開ページでは確認できませんでした。申請減免は、保険年金課(資格賦課担当)に相談することが案内されています。

  • 福山市保険年金課 資格賦課担当:電話 084-928-1055
  • 窓口:福山市役所 本庁舎1階(東桜町3番5号)

事業が思うようにいかなかったとき(休廃止)や、収入が急に減ったときは、納期限が来る前に、早めに相談してください(相談のタイミングの目安は、福山市の案内では確認できていません)。

(出典:福山市「Q国民健康保険税の申請減免制度について知りたい」、福山市「国民健康保険税について」)

納付が難しいとき:納税相談と分割納付(福山市の例)

福山市の「国民健康保険税の納税について」(2026年6月18日更新)には、次のように書かれています。

  • 国保税は期限内の納付が原則ですが、納付が困難な場合は、分割納付などもできるので、滞納のままにせず、納税相談に来庁してください。
  • 分割納付は、1年以内に完納となる分納計画が基本です。
  • 平日の日中に行くのが難しい人のために、日曜日相談と平日の夜間相談があります(日程は広報紙などで案内)。
  • 納期限から1年が経っても完納しない世帯主には、療養の給付などに代わって特別療養費の支給に変更されることがあります(災害など特別な事情が認められる人、納税誓約書に基づいて履行している人、法定軽減世帯、18歳以下の子などは対象外)。
  • 納期限を過ぎると、延滞金がかかることがあります。
  • 窓口:福山市保険年金課 納税担当 電話 084-928-1056(災害など特別な事情で納付が困難なとき)

(出典:福山市「国民健康保険税の納税について」、福山市「Q国民健康保険税の納付について知りたい」)

手続きの前に確認すること

  • 前年の所得の申告(確定申告または市への申告)はできているか
  • 世帯の被保険者数と、前年の所得はいくらか(軽減の目安を確認)
  • 産前産後、未就学児、失業など、減額の対象になる事情があるか
  • 災害・事業の休廃止・失業・長期入院で、減免の相談が必要か
  • 納期限を確認した(福山市の納期は、毎年の納税通知書で確認)
  • 払えそうにないときは、納期限の前に納税相談をする(分割納付ができる場合がある)
  • 自治体の窓口(保険年金課など)に、早めに相談する

ケースで確認(仮の例)

※この節は、実在の人物の体験談ではありません。仕組みを分かりやすく説明するための仮の例です。数字は、厚生労働省の資料の式にあてはめて、検算しています。実際の判定は、所得の範囲や自治体の運用によって変わります。

例①:Mさんは、ひとり暮らしの個人事業主(国保の被保険者1人)。給与・年金所得はない

  • 7割軽減の目安:43万円以下
  • 5割軽減の目安:43万円 + 31万円 × 1人 = 74万円以下
  • 2割軽減の目安:43万円 + 57万円 × 1人 = 100万円以下
  • 前年の所得が60万円だった場合 → 5割軽減の目安(74万円以下)に入る
  • 前年の所得が110万円だった場合 → 2割軽減の目安(100万円以下)を超えるため、軽減なし

例②:Nさん夫婦(被保険者2人)。給与・年金所得はない

  • 5割軽減の目安:43万円 + 31万円 × 2人 = 105万円以下
  • 2割軽減の目安:43万円 + 57万円 × 2人 = 157万円以下
  • 世帯の前年の所得が150万円だった場合 → 2割軽減の目安に入る

よくある質問

国保税は、いつの所得で決まりますか?
福山市の案内では、前年の所得にもとづいて、年度ごと・世帯ごとに決まります。
軽減を受けるのに、申請は必要ですか?
7割・5割・2割の軽減は、所得の申告があれば、自治体が判定するのが一般的です。申告がないと軽減が受けられないことがあるため、申告は必須と考えてください。産前産後や失業の軽減は、届出・申告が必要です。
事業をやめたときや、収入が減ったときは?
福山市では、事業の休廃止などの場合の申請減免があります。市のページでは、前年中の所得が500万円以下の世帯で、滞納がないこと、申告がされていることなどが条件とされています。減額の割合や書類は、保険年金課に相談してください。
納期限に払えないときは?
福山市では、納付が困難な場合は、分割納付などもできると案内されています(1年以内の完納が基本)。滞納のままにせず、納期限が来る前に、納税相談に行ってください。
5割・2割の基準は、いつから変わりましたか?
令和8年度の税制改正で、5割は31万円、2割は57万円に引き上げられました(厚生労働省)。福山市の条例では、令和8年度分の国保税から適用されています。ほかの市区町村は、自分の自治体で確認してください。

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この記事の確認方法

  • 厚生労働省の「令和8年度 税制改正の概要(厚生労働省関係)」で、国民健康保険税の軽減判定所得の見直し(5割軽減31万円、2割軽減57万円、7割は基礎控除額43万円)と、課税限度額の見直しを確認しました。
  • 福山市の「国民健康保険税について」「Q国民健康保険税の申請減免制度について知りたい」「福山市の国民健康保険」で、計算の仕組み、申告の大切さ、減額・減免の種類、非自発的失業者の軽減を確認しました。
  • 福山市の「産前産後期間の国民健康保険税の減額について」で、産前産後の減額を確認しました。
  • 福山市の「国民健康保険税について」(2025年7月2日更新)の原文で、所得割の計算式、申請減免の条件(所得の上限など)、納期を確認しました。「国民健康保険税の納税について」(2026年6月18日更新)で、納税相談と分割納付を確認しました。「子ども・子育て支援金制度について」と広報ふくやま2026年4月号で、令和8年度から子ども分が加わることを確認しました。
  • 福山市の「福山市国民健康保険条例」(市の例規集。令和8年6月24日施行)で、令和8年度の税率・限度額、納期、軽減判定の所得の範囲と基準、軽減の額を確認しました。
  • 申請減免の減額割合・必要書類・申請期限は、確認できていないため、断定せず、市の窓口に確認するよう書いています。
  • 確認日:2026年10月8日。

最終更新日:2026年10月8日

公式リンク(確認日:2026年10月8日)