確認日:2026年10月9日 / 対象:国民健康保険に入っている個人事業主・フリーランス(出産する人・その家族) 制度は改正によって変わることがあります。手続きの前に、必ず自分の市区町村と医療機関の案内で最新の内容を確認してください。この記事は個別の相談ではありません。
出産には、お金がかかります。一方で、国保に入っている個人事業主・フリーランスにも、出産でもらえるお金・減るお金があります。代表が出産育児一時金です。さらに、2026年6月には、出産費用の新しい給付の仕組みを決めた法律が公布されました。
この記事では、出産前後のお金の制度を、福山市(広島県)の例と公式資料で整理します。
この記事の読み方
- 国の制度(全国共通)と、自治体ごとに異なる内容を分けて書いています。
- 出産育児一時金の金額の基本は全国共通ですが、申請の窓口・書類・給付の案内は自治体で違います。この記事の手続きは福山市の例です。ほかの市区町村は、自分の自治体のページで確認してください。
この記事でわかること
- 出産育児一時金の金額と、直接支払制度
- 申請に必要なものと、申請できる期限
- そのほかもらえる・減るお金(妊婦への給付、国保税・国民年金の減額、医療費控除)
- 2026年6月に公布された法改正で、出産費用の給付がどう変わる予定か
結論:まず「直接支払制度」を病院に申し出る。出産前後の手続きは、早めに
- 出産育児一時金は、出生児1人につき最大50万円(福山市の案内では、488,000円+産科医療補償制度の加算12,000円)です。
- 直接支払制度を使うと、一時金が病院に直接支払われ、出産時に多額の費用を用意しなくて済みます。利用は病院に申し出るだけです。
- 一時金は出産日の翌日から2年を過ぎると支給されません。
- そのほか、妊婦への給付、国保税の産前産後の減額、国民年金の産前産後免除、医療費控除もあります。
- 新しい給付の仕組みは、法律が公布されましたが、開始は「公布後2年以内」です。現時点では、現行の出産育児一時金で手続きをします。
(出典:福山市「出産育児一時金の支給」、厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」)
出産育児一時金(国保・福山市の例)
金額
福山市の案内によると、被保険者が出産したときに、出生児1人につき次の金額が支給されます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 出産育児一時金 | 488,000円 |
| 加算額(※) | 12,000円 |
※「産科医療補償制度」に加入する医療機関で22週以降に出産した場合は、支給金額に加算があります。加算がある場合は、合計で50万円です。
- 妊娠85日以降であれば、流産・死産の場合でも支給されます。
支給されない・注意するケース
- 会社などの健康保険に1年以上加入していた人が、その健康保険をやめてから6か月以内に出産し、その保険から支給を受ける場合は、国保からは支給できません(二重に受け取れません)。
- 出産日の翌日から2年を過ぎると、支給されません。
- 海外で出産した場合は、出生証明書など追加の書類が必要で、審査が強化されています。
(出典:福山市「出産育児一時金の支給」)
直接支払制度:病院に一時金を直接払う
福山市の案内によると、医療機関と妊婦さんの合意により、保険者(国保)が出産育児一時金を、直接医療機関に支払うことができます。
- メリット:出産時に多額の費用を用意しなくて済みます。
- 使うとき:医療機関に申し出ます(申請には、直接支払いの同意書が必要です)。
- 出産費用が一時金より少なかった・多かったときの扱い(差額の受け取りや、足りない分の支払い)は、この記事では確認できていません。医療機関と市の窓口で確認してください。
申請に必要なもの(福山市の例)
- 出産した人の資格確認書等
- 分娩費用の明細書
- 直接支払いの同意書
- 振込先がわかるもの(世帯主名義のもの)
- 窓口に来る人の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証 など)
申請の窓口
- 福山市保険年金課、各市民サービス課、各支所・分室・分所
- 問い合わせ:福山市保険年金課 電話 084-928-1054
(出典:福山市「出産育児一時金の支給」)
そのほか、出産前後の「もらえる・減るお金」
妊婦への給付(福山市:「妊娠・子育て支援金」)
福山市の案内によると、国の妊婦支援給付金と同じ制度で、福山市では「妊娠・子育て支援金」としています。
| 区分 | 金額 | 申請できる期間 |
|---|---|---|
| 妊娠支援金 | 妊婦1人につき5万円 | 医師等の診断で胎児の心拍が確認された日から2年間 |
| 子育て支援金 | 胎児1人につき5万円 | 出産予定日の8週間前の日から2年間 |
- 対象:福山市に住民票があり、2025年(令和7年)4月1日以降に妊娠している人など。1回の妊娠につき1回の申請です。
- 申請:福山市公式LINEまたは電子申請システム。支給は、申請から2〜3か月後です。
- 他の自治体で、すでに受け取った人は対象外です。
(出典:福山市「妊娠・子育て支援金について」)
国保税の産前産後の減額(福山市の例)
出産予定月または出産月の前月から翌々月までの4か月間(多胎は6か月間)、国保税の所得割額・均等割額が減額されます。届出が必要です。くわしくは、国保税が高い・払えないとき|軽減・減免の種類と申請と、産前産後の国民年金保険料免除で整理しています。
国民年金の産前産後免除
国民年金の第1号被保険者は、出産予定月の前月から4か月間(多胎は6か月間)の保険料が免除され、納付したものとして年金額に反映されます。届出が必要です。
医療費控除(翌年の確定申告)
出産費用は、医療費控除の対象になる部分があります。国税庁の案内(No.1124)では、次のとおりです。
- 対象になる:妊娠と診断されてからの定期検診・検査の費用、通院費用、出産で入院するときに電車・バスなどが使えず利用したタクシー代、病院に払う入院中の食事代
- 対象にならない:実家へ帰る交通費、入院時の寝巻き・洗面具などの身の回り品、出前・外食の食事代
- 出産育児一時金は、医療費から差し引きます(補てんされる金額)。
- 出産手当金は、差し引かなくてよいとされています(会社の健康保険などから出るもの)。
医療費控除の計算は、医療費控除のやり方|個人事業主の計算・手順と、トリモドシ診断|医療費控除の目安で確認できます。
(出典:国税庁 No.1124)
2026年の法改正:出産費用の新しい給付(これから)
厚生労働省の資料によると、健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)が、2026年(令和8年)6月5日に公布されました。出産に関する主な内容は、次のとおりです。
- 出産育児一時金に代わる新しい給付方式:
- 保険診療以外の分娩について、分娩1件当たりの基本単価を国が設定し、保険者から施設へ直接支給(現物給付化)して、妊婦に負担が生じないようにする。
- 保険診療の一部負担金など出産時の負担を軽くするため、すべての妊婦に定額の現金給付を行う(金額は政令で決まる)。
- サービスと費用の見える化:施設が提供するサービスの内容・費用を、情報提供する義務が設けられる。
- いつから:公布後2年以内に、政令で定める日。
- 当分の間:施設の選択により、施設単位で、現行の出産育児一時金の制度を使うこともできる。
- 国保の子どもの均等割:5割軽減の対象が、未就学児から高校生年代まで広がる(施行は原則令和9年4月1日)。
注意:新しい給付の具体的な金額や、開始日は、今後決まります。現時点では、現行の出産育児一時金(最大50万円)で手続きをします。出産予定日が近い人は、出産する病院の案内で、どちらの方式になるかを確認してください。
(出典:厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」)
手続きの前に確認すること
- 自分の保険は、国保か(会社の健康保険の被扶養者などの場合は、別の窓口・制度です)
- 出産する病院で、直接支払制度を使えるか
- 出産予定日を確認した(国民年金・国保税の届出は、予定日の6か月前から)
- 妊婦への給付(妊娠・子育て支援金)を、期間内に申請した
- 会社の健康保険を、やめて6か月以内の出産ではないか(その場合は、前の保険から受け取れることがある)
- 出産後、領収書・明細書を保管した(医療費控除の準備)
- 一時金は、出産日の翌日から2年以内に手続きする
ケースで確認(仮の例)
※この節は、実在の人物の体験談ではありません。仕組みを分かりやすく説明するための仮の例です。数字は、福山市の案内にある金額と、国税庁の考え方を使っています。実際の費用や金額は、病院や状況によって変わります。
例①:Pさんは、国保に入っている。病院は直接支払制度を使えて、出産費用は55万円だった
- 出産育児一時金:最大50万円(産科医療補償制度の加算を含む)が、病院に直接支払われる
- 出産費用 55万円 − 一時金 50万円 = 5万円は、病院に自分で払う
- 医療費控除:出産費用から一時金を引くので、この出産費用の分の控除の対象は5万円(ほかの医療費と合算できます。10万円(または所得の5%)を超えた分が控除額になるため、1年間の合計で確認)
例②:Qさんは、出産費用が45万円で、直接支払制度を使った
- 一時金(最大50万円)が、病院に直接支払われる
- 45万円は一時金の範囲内。差額の扱いは、病院と市の窓口で確認する
- 医療費控除:出産費用から一時金を引くと0円になるため、出産費用では控除は出ない(定期検診などの費用は、別に計算)
よくある質問
- 出産育児一時金は、いくらですか?
- 福山市の案内では、出生児1人につき488,000円で、産科医療補償制度に加入する医療機関で22週以降に出産した場合は、12,000円の加算があります(合計で50万円)。
- 申請は、いつまでにしますか?
- 出産日の翌日から2年を過ぎると、支給されません。直接支払制度を使う場合は、出産する病院に申し出ます。
- 流産や死産でも、もらえますか?
- 福山市の案内では、妊娠85日以降であれば、流産・死産の場合でも支給されます。
- 会社の健康保険をやめた直後に出産しました。どちらから受け取りますか?
- 会社などの健康保険に1年以上加入していた人が、やめてから6か月以内に出産し、その保険から支給を受ける場合は、国保からは支給されません。前の保険に確認してください。
- 出産費用が無償になると聞きました。いつからですか?
- 2026年6月に、新しい給付の仕組みを決めた法律が公布されました。開始は、公布後2年以内に政令で定める日です。具体的な金額や日付は、今後決まります。
- 出産手当金は、国保でも受け取れますか?
- この記事では、国保の出産手当金に当たる給付を、公式に確認できていません。会社の健康保険の出産手当金は、国税庁の案内では、医療費控除の計算で差し引かなくてよいとされています。国保の取り扱いは、市の窓口で確認してください。
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この記事の確認方法
- 福山市の「出産育児一時金の支給」(2026年1月14日更新)の原文で、金額、加算、対象、支給されないケース、直接支払制度、申請に必要なもの、窓口を確認しました。
- 福山市の「妊娠・子育て支援金について」(2026年4月1日更新)の原文で、金額、対象、申請期間、申請方法、支給時期を確認しました。
- 厚生労働省の「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」で、出産に係る給付体系の見直し、施行期日(公布後2年以内)、国保の子どもの均等割軽減の拡充を確認しました。
- 国税庁のタックスアンサー No.1124で、出産費用と医療費控除の扱い(一時金は差し引く、出産手当金は差し引かない)を確認しました。
- 新しい給付の具体的な金額と開始日、差額の細かい手順、国保の出産手当金に当たる給付は、確認できていないため、断定せず、窓口に確認するよう書いています。
- 確認日:2026年10月9日。
最終更新日:2026年10月9日
公式リンク(確認日:2026年10月9日)
- 福山市:出産育児一時金の支給
- 福山市:妊娠・子育て支援金について
- 福山市:産前産後期間の国民健康保険税の減額について
- 厚生労働省:健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要(PDF)
- 厚生労働省:医療保険制度改正法が成立しました
- 日本年金機構:国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
- 国税庁:No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例

