国民年金が払えないとき|免除・納付猶予の申請方法【個人事業主】

国民年金が払えないとき(免除・納付猶予の申請方法) もらえるもの

確認日:2026年10月8日 / 対象:国民年金(第1号被保険者)に加入している個人事業主・フリーランス 基準や手続きは、見直しや個人の状況によって変わることがあります。手続きの前に、必ず日本年金機構などの公式ページ・お住まいの市区町村の窓口で最新の内容を確認してください。この記事は個別の相談ではありません。

個人事業主は、収入が月によって大きく変わります。仕事が減ったり、病気やケガで働けなくなったりして、国民年金の保険料(令和8年度は月17,920円)を払うのがつらいと感じることもあると思います。

そんなときに、払わずに放置するのではなく、「免除」や「納付猶予」を申請することで、将来の年金や、万が一のときの保障を守れる場合があります。この記事では、その仕組みと、申請の流れを整理します。

この記事でわかること

  • 免除と納付猶予の違い
  • 対象になる所得の基準
  • 申請の方法と、期間
  • 後から払う「追納」と、将来の年金への影響

結論:払えないときは、放置せず、申請する

  • 保険料が払えないときは、免除・納付猶予を申請できます。
  • 免除や納付猶予の期間中に、病気やケガで障害を負った場合などは、障害基礎年金・遺族基礎年金を受け取れる場合があります。放置して未納になると、受け取れなくなる場合があります。
  • 申請できるのは、納付期限から2年を経過していない期間(申請の時点から2年1か月前まで)です。早めの申請がおすすめです。

免除と納付猶予の違い

制度 内容 将来の年金額への反映
全額免除 保険料の全額が免除される 全額納付した場合の2分の1(受給資格期間にも入る)
4分の3免除・半額免除・4分の1免除 一部の保険料を納めると、残りが免除される 納付額に応じて異なる
納付猶予 保険料の納付を、先に延ばせる(対象は20歳以上50歳未満) 年金額には反映されない(受給資格期間にはカウントされる)

(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)

国民年金の免除・納付猶予が、将来の年金額に与える影響全額納付は満額、全額免除は全額納付した場合の2分の1、納付猶予は年金額には反映されない。猶予・免除の期間は、10年以内なら追納で満額に近づけられる。将来の年金額(老齢基礎年金)への影響全額納付した期間を「満額」とした場合全額納付満額全額免除満額の2分の1納付猶予年金額には反映されないどちらも受給資格期間にはカウントされる(日本年金機構の案内)10年以内なら「追納」で、満額に近づけられる免除・猶予の期間中に障害などが起きた場合、障害基礎年金を受け取れる場合がある
免除・納付猶予と、将来の年金額への影響

対象になる所得の基準

審査は、本人・配偶者・世帯主の前年の所得で行われます。日本年金機構の案内にある基準は、次のとおりです。

区分 所得の基準
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 以下
納付猶予 同上
4分の3免除 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
半額免除 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
4分の1免除 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
  • 「扶養親族等控除額」や「社会保険料控除額等」の計算は、複雑です。自分が対象かどうかは、市区町村の窓口や年金事務所で確認するのが確実です。
  • 失業や、災害などの特別な事情がある場合は、特例による免除があります(次の節)。

失業・事業の廃止などの特例免除

日本年金機構の案内によると、失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できたときは、失業等をした人の前年所得にかかわらず、免除・納付猶予を受けられる特例があります。

  • 失業等の事実を確認できる書類が必要です(例:雇用保険被保険者離職票のコピー、雇用保険受給資格者証・受給資格通知のコピー、公的機関が交付する証明書など。書類によっては、失業の状態にあることの申し立てを書式で行う必要があります)。
  • 世帯主や配偶者がいる人は、世帯主や配偶者が所得要件を満たしているか、失業等の特例に当てはまっている必要があります。
  • 特例免除は、失業等のあった月の前月から受けられます(失業した日は離職日の翌日。12月31日に離職したときは、翌年が事由の発生した年になります)。
  • 申請が遅れると、特例免除が認められない場合があります。早めに申請してください。
  • 失業等による特例免除の承認を受けた人は、翌年度も申請が必要です(継続審査の対象になりません)。
  • 個人事業主の「事業の廃止」が、どの書類で確認されるかは、窓口で確認してください(この記事では確認できていません)。

(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」、「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」)

申請の方法

申請先

  • お住まいの市区町村の国民年金担当窓口
  • 年金事務所
  • 郵送でも申請できます

必要なもの

  • 基礎年金番号通知書または年金手帳など
  • マイナンバーカード(または、マイナンバーの確認書類と、本人確認書類)
  • 失業などの場合は、特例免除のための書類

申請できる期間

納付期限から2年を経過していない期間です(申請時点から2年1か月前までの期間)。たとえば、数か月分を、まとめてさかのぼって申請できる場合もありますが、2年1か月前より前の分は申請できません。

毎年の申請について

申請は、原則として、毎年度必要です。全額免除または納付猶予の承認を受けた人が、翌年度も同じ申請を希望する場合は、継続審査の対象になります。

後から払える「追納」

免除や納付猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら、申し出により、後から納付(追納)できます。追納すると、老齢基礎年金の受給額を、満額に近づけることができます。

日本年金機構の「追納制度」のページには、次のように書かれています。

  • 追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除・猶予の期間です。
  • 免除・猶予の承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料額に、経過期間に応じた加算額が上乗せされます(加算額の金額は、機構のページの表で確認できます)。
  • 古い期間から順に納めるのが原則です(免除の期間と納付猶予などの期間がどちらもある場合の順序は、年金事務所に確認)。
  • 申込書を出すと、日本年金機構から納付書が届くので、それで納めます。追納した保険料は、社会保険料控除の対象になります。
  • 1年間分を追納すると、全額免除の期間なら、老後の年金が年間で約1万円、納付猶予の期間なら約2万円増える、と案内されています(納付猶予の期間は、追納しないと年金額には反映されません)。

(出典:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」)

免除を受けても、障害年金などは受け取れる場合がある

日本年金機構の案内では、保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、病気やケガで障害や死亡といった事態が起き、一定の要件に当てはまる場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れるとされています。

一方、保険料を払わず、免除などの手続きもしていない(未納の)場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れない場合があるとも案内されています。「払えない」ときこそ、申請が大切です。

(関連記事:国保に傷病手当金はない?個人事業主の備え方)

払うときのポイント

  • 納付期限は、対象月の翌月末日です(末日が土日祝日や年末年始の場合は、翌月最初の金融機関の営業日)。
  • 口座振替が、一番おトクな納付方法と案内されています。
  • まとめて払う(前納)と、割引があります。

チェックリスト

  • 保険料が払えないとき、放置せず、まず窓口に相談する
  • 申請できる期間(2年1か月前まで)を過ぎていないか
  • 自分(と配偶者・世帯主)の前年の所得を、確認する
  • 申請に必要なもの(基礎年金番号、マイナンバーなど)を用意する
  • 収入が戻ったら、追納(10年以内)を検討する

ケースで確認(仮の例)

※この節は、実在の人物の体験談ではありません。仕組みを分かりやすく説明するための仮の例です。数字は、公式の計算式で計算しています。実際の金額は、状況によって変わります。

Eさん(個人事業主・扶養親族等なし・単身で世帯主)が、仕事が減った場合

  • 全額免除・納付猶予の所得基準:(扶養親族等の数0人+1)×35万円+32万円=67万円
  • 前年の所得が60万円なら、この基準(67万円以下)に当てはまる可能性があります
  • 審査は、本人・配偶者・世帯主の前年の所得で行われます。この例では、本人が世帯主なので、本人の所得が基準になります
  • 申請は、納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1か月前まで)について、できます

この例は、基準の考え方を示すものです。実際に対象になるかどうかは、窓口や年金事務所で、必ず確認してください。

よくある質問

免除と納付猶予、どちらを選べばいいですか?
将来の年金額に反映されるのは免除(全額免除は2分の1)で、納付猶予は年金額に反映されません。対象になる制度を、窓口で確認してください。
払えない月が数か月あるのですが、まとめて申請できますか?
納付期限から2年を経過していない期間であれば、申請できます。
申請は、毎年必要ですか?
原則として、毎年度必要です。一定の場合は、継続審査の対象になります。
免除の期間があっても、障害年金などはもらえますか?
日本年金機構の案内では、免除・納付猶予の期間中に障害などが起き、一定の要件に当てはまる場合は、受け取れる場合があります。個別の要件は、年金事務所で確認してください。
申請は、オンラインでもできますか?
日本年金機構のサイトに、免除・納付猶予申請書の電子申請の案内があります。手順は、公式ページで確認してください。

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この記事の確認方法

  • 日本年金機構の「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」のページで、制度の種類、所得の基準、申請先、申請できる期間、必要なもの、追納、年金額への影響、障害年金との関係を確認しました。
  • 日本年金機構の「国民年金保険料の納付」のページで、保険料額(令和8年度:月17,920円)と、納付期限を確認しました。
  • 追納の加算額の具体的な金額、審査の期間、個人事業主の事業の廃止を確認する書類、お住まいの市区町村の窓口は、確認できていないため、断定せず、公式の案内を見るよう書いています。
  • 確認日:2026年10月8日。

最終更新日:2026年10月8日

公式リンク(確認日:2026年10月8日)